今回、リュウが行った戦略は、なわとび部が部員確保する手法として、マーケティングの手法の『STP』という手法と、ランチェスター戦略で言う『局地戦』という考え方の手法を活用したんだ。
◆STP:マーケティングにおける「STP」って?
「セグメンテーション(Segmentation)」
「ターゲティング(Targeting)」
「ポジショニング(Positioning)」
の、3つの頭文字をとったもので、フィリップ・コトラーというマーケティングの研究者が提唱したんだ。
これは「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」としているんだ。
より具体的にいうと、本来の目的である「自分のところが誰に対してどのような価値を与えるのか」という問題を明確にするために活用していきます。コトラーは、市場における自分のところの競争優位性を設定するために、
市場を細分化して(Segmentation)
ターゲット層となる顧客を抽出し(Targeting)
ターゲット層となる顧客に対する競争優位性を設定する=優位になる順位を設定する(Positioning)
ということだね。
次は、それぞれの3つの要素について考えてみよう。
Segmentation(セグメンテーション)
これは対象を全体とするのではなく、その一部に絞り込むための準備です。もちろん全員を相手にしたいと考えるのは自由ですが、実際には誰もが同じ商品を買うことはないわけで、大きい市場から細分化された小さな市場へシフトせざるをえません。
さまざまな角度から市場調査し、ユーザ層、購買層といった形であぶり出し、明確化していきます。
たとえば「東京都内に住んでいて、10代の男性で、海外サッカーに興味があり、現在はサッカー部に所属している」といっ切り口から、市場における顧客のニーズごとにグループ化する、つまり「市場や顧客を細分化する」ことが、セグメンテーションです。
Targeting(ターゲティング)
セグメント化(細分化)した結果、自社の参入すべきセグメントを選定、すなわちターゲットを明確にすることを指します。ターゲットの選定には、自分のところの強みを活かせたり、競合するところがいない分野や市場を選択することが大事です。あくまでも自分のところが提供できる価値と、ターゲット選定した顧客が求めるニーズがどこでマッチするのかを考えましょう。
Positioning(ポジショニング)
ここでいうポジショニングとはターゲット層から見たときの「優位点(優位性)」のことです。ある意味、顧客にとっての順位と言い換えてもいいでしょう。ターゲットとする顧客にとって対価を支払ってもよいと思えるだけの価値や魅力があるのか、その観点でとらえなければなりません。
またポジショニングは市場全体を意識する必要はありません。あくまでもターゲット層の顧客にとってどうであるか(どのような順位であるか)が問われています。
ポジショニングが不明確なままだと、その後のマーケティング施策がぼやけてしまいます。
そのためにもSTPの最終ステップとして可能な限り具体的にしなければなりません。
◆局地戦ってなに?
織田信長が桶狭間の戦いで勝ったのは、局地戦だったからだよ。(今川軍3万人:織田軍3千人)
地域に限定すると、狭い商圏や地域に限定して戦う。局地戦で狙う地域を決めるには、市場を細分化する必要があります。商品やサービスも商品群別に細分化し、顧客層も細分化する必要があります。狙った商品、狙ったサービス、狙った顧客だけを対象に戦う。顧客層の細分化には、規模別、業種・チャネル別、性別、年齢別、所得階層別などに分けられるんだよ。
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